【授業の概要と目的(何を学ぶか) / Outline and objectives】
社会とつながるアートプロジェクトやワークショップに関する実践を軸として、様々な表象文化(現代美術、現代音楽、コンテンポラリーダンス、演劇、映像、テキスト等)に関する研究を行います。
様々なコミュニティとのコラボレーションを通じて、背景の異なる人々の生活や文化を学び、様々な方法で相互の考えを理解することを経験的に学びます。また、学生各自の関心のある表象分野について考察を進め、その背景となる理論についての研究を並行して行います。
研究を通じて以下のような姿勢がこの演習では重要となります。
1.既成概念に囚われずに自由に発想すること
2.様々な方法で他者と関わること
3.ものごとの本質を見極めること
こうした姿勢を基に各自の研究課題に取り組み、社会に繋がる問題を発見することを目標とします。このような能力は、周囲の情報に流されがちな現代社会において自らの方向を定め、日々の生活を豊かにすることになるでしょう。
【到達目標 / Goal】
2、3年生春学期
様々な表象文化について体験し、研究に関する各個人の関心について考えてみます。学期の後半では、研究発表(作品・ポスター発表)を行います。また、グループで行うワークショップに参加します。
2、3年生秋学期
個人研究のテーマについて取り組みます。国際文化情報学会、個人研究展での研究発表に取り組みます。
4年生春学期
個人研究について考察を深めていきます。特に先行研究の調査が中心となります。
4年生秋学期
研究の仕上げとして国際文化情報学会、個人研究展での研究発表に取り組みます。
【授業の進め方と方法 / Method(s)】
○共同研究、個人研究
・グループによる共同研究
【春学期】表象文化についての理解を深めるため、ワークショップや課題解決型学習が中心となります。
【秋学期】1年間の研究の成果を国際文化情報学会で発表します。
・個人研究
年間を通じて個別に研究を進めます。
各学期に中間報告会及び研究発表会(展覧会)を行います。
※研究方法については以下の2つから選択してください。
また、学内外での研究発表も各自で検討してください。
2年生
1.作品制作+制作報告書(2000字)
2.レポート(4,000字程度)+ポスター
3年生
1.作品制作+制作報告書(2000字)
2.論文(8,000字程度)+ポスター
4年生
1.作品制作+制作報告書(4000字)
2.論文(16,000字程度)+ポスター
○ ゼミ合宿など学外での活動(年間に数回程度)
東京ビックサイトで開催される「デザインフェスタ」に参加します。(5/21-5/22)
https://designfesta.com/
2021年度に参加した「みなとメディアミュージアム2020→2021」(茨城県ひたちなか市)を訪問する予定です。
機会があれば東京近郊の美術館やギャラリーの展覧会や国際展、劇場での公演を鑑賞します。
◯ ぜんまい(in English)
授業の冒頭に個人研究に関連したテーマで10分程度の英語によるプレゼンテーションを行います。
◯ 授業を円滑に進めるために、以下のオンラインツールを使います。
・Google site(授業の基礎となるコンテンツの配信)
・Zoom(ミーティング)
・Slack(授業に関するお知らせと各研究に関する全てのフィードバック)
・Google Classroom、Google Form(課題提出)
・Miro(ブレーンストーミング・コラボレーション)
・Flip grid(映像制作、コラボレーション)
【授業計画 / Schedule】
回 | テーマ / Theme | 内容 / Contents |
4/13 | オリエンテーション | 春学期の活動について 研究の進め方 |
4/20 | ワークショップ1-1 (デザインフェスタ/展示プラン) | 5月21・22日に開催されるデザインフェスタの準備をします。会場で描くウォールペインティングと会場で販売する小作品(マルティプル)の展示プランについてディスカッションします。 |
4/27 | ワークショップ1-2 (デザインフェスタ/作品のプレゼンテーション) | ウォールペインティングとマルティプルの展示プランについてプレゼンテーションをします。 |
5/11 | ワークショップ1-3 (デザインフェスタ/作品の準備1) | ウォールペインティングとマルティプルの制作をします。広報用のウェブサイト、チラシ、ポスターを準備します。 |
5/18 | ワークショップ1-4 (デザインフェスタ/作品の準備2) | ウォールペインティングとマルティプル、広報用のウェブサイト、チラシ、ポスターの直前の準備をします。 |
5/25 | ワークショップ2-1 (デジタルコンテンツコンテスト/作品の構想1) | デジタルコンテンツコンテストに応募する映像作品について、グループワークで制作します。参考作品を観ながら作品のアイディア、コンセプトについて検討します。 |
6/1 | ワークショップ2-2 (デジタルコンテンツコンテスト/作品の構想2) | 参考作品を観ながら作品のアイディア、コンセプトについて検討します。 |
6/8 | ワークショップ2-3 (デジタルコンテンツコンテスト/作品の制作1) | 撮影や編集など、実際の作品の制作に着手します。 |
6/15 | ワークショップ2-4 (デジタルコンテンツコンテスト/作品の制作2) | 作品の完成に向けて取り組みます。 |
6/22 | ワークショップ2-5 (作品の講評会) | 講評会 |
6/29 | 個人研究1 (研究の構想とプレゼンテーション1) | パワーポイントとレジュメを準備して個人研究の口頭発表を行います。4年生による研究発表です。質疑応答を含めて一人10分です。 |
7/6 | 個人研究2 (研究の構想とプレゼンテーション2) | パワーポイントとレジュメを準備して個人研究の口頭発表を行います。2・3年生による研究発表です。質疑応答を含めて一人10分です。 |
7/13 | 個人研究3 (個人研究展 搬入/設営) | 外濠校舎メディアラウンジで開催する個人研究展の搬入です。 |
7/20 | 個人研究4 (個人研究展 講評/搬出) | 個人研究展 講評/搬出 |
9/21 | オリエンテーション1 (秋学期の活動について・研究の進め方) | 秋学期の活動について 研究の進め方 |
9/28 | オリエンテーション2 (夏休みの宿題講評会) | 夏休みの宿題=デジタルコンテンツコンテスト静止画部門・学部パンフレットの表紙コンテストの講評会を行います。 |
10/5 | ワークショップ3-1 (パフォーマンス・インスタレーション/作品の鑑賞) | グループワークによる作品制作。現代アート、演劇、現代音楽など様々なジャンルの作品を鑑賞します。 |
10/12 | ワークショップ3-2 (パフォーマンス・インスタレーション/作品の構想) | 各グループでディスカッションし、作品のテーマを選び、アイディア・コンセプトを考えます。 |
10/19 | ワークショップ3-3 (パフォーマンス・インスタレーション/作品の制作1) | 各グループで制作方法を考えて、実際に作品制作を始めます。 |
11/2 | ワークショップ3-4 (パフォーマンス・インスタレーション/作品の制作2) | 各グループでの作品制作の第二回目です。 |
11/9 | ワークショップ3-5 (講評会) | 講評会 |
11/16 | 国際文化情報学会 | プレゼンテーションの準備と構想 |
11/23 | 国際文化情報学会 | プレゼンテーションの準備と確認 |
11/30 | 個人研究5 (研究の構想とプレゼンテーション1) | パワーポイントとレジュメを準備して個人研究の口頭発表を行います。4年生による研究発表です。質疑応答を含めて一人10分です。 |
12/7 | 個人研究6 (研究の構想とプレゼンテーション2) | パワーポイントとレジュメを準備して個人研究の口頭発表を行います。2・3年生による研究発表です。質疑応答を含めて一人10分です。 |
12/14 | 個人研究7 (展覧会/搬入) | 外濠校舎メディアラウンジで開催する個人研究展の搬入です。 |
12/21 | 個人研究8 (講評会/搬出) | 外濠校舎メディアラウンジで開催する個人研究展展の講評会と搬出です。 |
1/12 | 個人研究9 (研究発表会) | 口頭発表 |
【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等) / Work to be done outside of class (preparation, etc.)】
1. これまでの経験などは問いませんが、年間を通じて意欲的に取り組んでください。
2. 個人研究については担当教員と相談しながら進めていくことが大切です。質問・疑問点については教員によく相談してください。大学院などへの進学を希望されている方についても、研究の内容や方法について教員に相談して検討してください。
3. 展覧会・コンサート・映画館などで作品鑑賞する機会を持ち、また他のアートやデザインに関する実習や講義も積極的に受講するようにしてください。
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
【テキスト(教科書) / Textbooks】
毎回の授業で使用する教科書はありませんが、いくつか参考書を紹介しますので、それらのうち少なくとも一冊を選んで購読することを勧めます。また各分野の研究に関して必要となる資料についてはその都度紹介します。
【参考書 / References】
山本浩貴『現代美術史: 欧米、日本、トランスナショナル』中央公論新社、2019
沼野 雄司『現代音楽史-闘争しつづける芸術のゆくえ』中央公論新社、2021
平田オリザ『〈現代演劇〉のレッスン』フィルムアート社 、2016
各自の研究に関連する実践例(プロジェクトや展覧会)、参考文献を参照しておいてください。
- 美術に関する展覧会や講演、ダンスや演劇などのパフォーミングアーツの公演
- 福祉施設、博物館、広場や公園など公的空間における環境計画
- 病院や学校など、公的な場所でおこなうワークショップなどの研究
- 地域コミュニティのポータルサイトや映像作品、冊子などの企画制作
- 地域活性化のためのイベントやプロジェクトなどの計画案
【成績評価の方法と基準 / Grading criteria】
成績評価については、平常点(授業への取り組み)、共同研究(研究への協力と貢献)個人研究(調査や研究の積極性)の合計で行います。取り組みの実験性、積極性を重視します。採点比率は以下の通りです。
- 平常点(50%)
- 共同研究(25%)
- 個人研究(25%)
詳しい評価方法については、添付のルーブリック表を参照してください。
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とします。
【学生の意見等からの気づき / Changes following student comments】
ゼミの活動運営は、チームワークについての重要な経験となりますので積極的に関わってください。特に、ゼミ内のコミュニケーションのあり方について考えていきましょう。
【学生が準備すべき機器他 / Equipment student needs to prepare】
作品制作やプレゼンテーションでPCを活用する機会が多いと思いますので、関連した実習授業を履修しておくとよいでしょう。WordpressでのブログやSNSによる情報発信も積極的に行います。課題提出では学習支援システムを活用しますので、必ず登録しておいてください。
【その他の重要事項 / Others】
演習の活動記録(ブログ)です。
http://inagakiseminar.com/document/
教員のウェブサイトです。
http://www.tatsuoinagaki.com